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そこは夢みたいに綺麗な所だった。
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パイナップル君の誕生日だったんで書いてみました。
むくつなむく?苦手な人は読まないでね。
そこは夢みたいに綺麗な所だった。
「むくろーどこー?」
空は澄み渡って、花が咲き乱れて。踏み慣らされた石が白く、どこかへ続いていた。
どうやって行けばいいのか分かってるみたいに足が進む。
鳥が囀っている。
「むくろーお」
あっちだよ、と言ってるような囀りだ。
零れるような木陰や幾つも連なった花のアーチ、更には小さな噴水まで横切り、白い石畳はぽっかりと丸く切り取られた庭に出た。
中央に大きな鳥籠みたいな白っぽい建物がある。石はそこへ続いていた。
「またあなたですか」
背を向けていた藍色の髪が振り向いた。迷う事なく合わされる赤と青の眼差し。
時々訪れると決まって読書をしているこの人は、ここでは幾分穏やかな表情をしている。
「うん。えへへ」
見付けたことが嬉しくて、へろへろ笑いながらその鳥籠にお邪魔する。
筒情の籠は外側に椅子が作ってあり、中央に小さなテーブルがある。全てに蔓が這い、所々で花が芽吹いている。
「綺麗だよな、ここ」
「静かだったら更に良いんですが」
「そういうことゆーな」
なんて言いつつ、テーブルの上のポットにはまだ温かい紅茶があるのだ。自分でカップに注ぐ。おれが来るのを待っていてくれたんだ。
花の匂いと紅茶の湯気、本がめくられる渇いた音と、時々吹く風。鳥籠の上で鳥が巣を作っている。
そんな幸せの中で青い髪を揺らし、目を伏せている人はこの世界の闇を全て吸い取ったみたいに、深い影をしている。
「…ねぇ、むくろ」
差し延べた手は頬に触れていた。驚いたように瞬きがされ、跳ねるように見上げられる。
綺麗な目。おれが左に赤く、右に青く映っている。
「またここ、来ても、いい?」
擦り寄るように頭を抱きしめて告げる。闇に触れているのに、花の香りがする。
「………………好きにしなさい」
だってお前の夢はこんなに綺麗だから。
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頭の中がお花畑です。本社からの帰り道の2時間でノートに書き、物足りなくてケータイでデジタル化した話。
ひばつなの傍らむくつなむくとか、ちょっと、ありがち過ぎ。
今度は死にネタをだーっと書きたいなーあ。
誕生日ちっとも関係ないなーあ。