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小話しかない。雲雀と綱吉しかいない。      2008.02.16開設。
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 ピシャン、という音で応接室が密室になってようやく、耳と目と手足の感覚が戻った。


あの子供が、あんなに、


 夜の闇はすっかり完成されていて。誰も見てや居ないのに顔を手で覆えば、足元から影に溶けて行った。

 けれど、瞼の裏に先の夕日が今も焼き付いて眩しい。あの目があの顔が、消えては蘇って離れない。


あんなに、あの子供が…


 目を閉じて何度反芻しても、笑顔が思い出せないのが悔しかった。


あんなに、あの子供が綺麗だったなんて。
僕は知らなかった。








***
携帯で書いたものをPCで弄っていると短くてかなしい。
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 担任の呼び出しというお説教が終わって教室へ戻ると、オレの席に雲雀さんが座っていた。
 雲雀さんの視線は夕日と同じにおれを向いていて、影になっていたからよくわからなかったんだけどそう思った。


 しばらく沈黙してしまう。あまりに不自然な人物だったから。

「こんな時間まで何してるの?」

 穏やかな声が響いた。窓は冷たい風に奇妙な音を立てていたけど、その声がした時はそんな音は消えていたように思った。

 夕日は焦げ付いた色を残して明るさを失っていた。手が冷たくなっていくのに。
 なんでこの人の視線はこんなにあついんだろう。

「職員室に呼ばれて」

 おれの口から零れた言葉のせいで無音の世界は終わり、見えるもの全てが影となりおれと雲雀さんを取り巻いていた。

「そう」

 雲雀さんはそれだけ言うと椅子を鳴らして立ち上がった。そこでやっとあつい視線を逸らされた。
 視線を開放されたのにおれは横を摺り抜ける雲雀さんを見つめる。
 動かないおれが見上げる中、雲雀さんは珍しく俯いていた。


 微かに覗く耳が赤い気がした。


 雲雀さんの足音がすっかり聞こえなくなって、すごく肩が緊張していることに気付いた。同時に、あの視線を浴びていた頬があついのも。

 あぁもしかして、おれの視線もあつかったのかも知れない。

 



***
もうヒバツナは書きません…。と後書きされていました。とりあえず告白させるまではこんな感じで頑張ります。

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